化粧品に新規参入するのに
「自社工場を作って、化粧品製造業(一般)と化粧品製造販売業許可取りたい」
という相談がたまにあるのですが、・・・・そのリスクについての考察です。

新規参入なので工場設備の投資リスクもありますし、
品質管理、設備管理などのノウハウなどを考えたら
自社は製造販売業だけ、製造はOEM工場に依頼した方が良いですよと助言するのですが
なぜか納得してもらえないんです。
商社などしか経験ない方が、作業着を着ている方の経験値を甘くみてはいけませんよって話ですがね。(大卒、院卒だってメーカー勤務なら作業着を着てますよ)
*新規参入なら、OEM工場に製造委託しましょうってのが管理人のスタンスです。
もちろんOEM工場も雲泥の世界で全ての工場が良いという訳ではないので見極めは必要ですが。

まず、
化粧品製造業の許可には下記2つの区分があります。
●化粧品製造業(一般)とは、製造行為の全てを行う事が出来るものです
●化粧品製造業(包装・表示・保管)は製造行為のうちで、容器に入った状態の商品に対して、
最後の包装(化粧箱入れなど)、ラベル表示、保管が出来るもので最後の仕上げ作業工程だけが出来るものです。
*なので、化粧品製造業(一般)の許可を持っていれば、化粧品製造業(包装・表示・保管)の許可は不要になります。

化粧品製造業(包装・表示・保管)の許可は、許可取得後の作業運営について、工場の経験が無くても指導を受ければなんとかなります、
しかし、化粧品製造業(一般)については化粧品工場の経験なしには何も出来ないと思います。
(品質を担保するのにやる事が一杯です)

相談者さんとしては、
●責任技術者さんは学歴だけでなれるので問題ない
●構造設備を揃えるだけの資金があるから問題ない
というのが相談者の言い分なのです。

ところが、このサイトに相談にくるくらいですから化粧品製造工場の経験がないので
工場を新たに建てるのにどんな事に注意すれば良いでですか?
から質問が始まる状態なわけです。

化粧品工場の構造設備については、薬務課さんへ何度も足を運んで助言してもらえば許可要件を満たす工場は建てられるでしょう。(薬務課の許可要件は構造設備だけですから)
ところが、
その構造設備の配置はもの作りを行うのに問題ありませんか?
と言っても、実際には工場での作業経験がないと分かりませんよね。

もちろん化粧品工場の工場長経験者とかを新規に採用すれば問題は解決するのですが、
そもそもそちらの田舎に化粧品工場がなければ地元採用も出来ない訳ですから、
遠くから三顧の礼で迎えなければならないでしょう。

●キッチンで出来るくらいの材料を混ぜるだけの石鹸や香水だから問題ない
たしかに混ぜるだけの作業ですから工場を建てる必要もないでしょうし、工場経験なくても作業は出来るでしょうが、
自宅の台所って感覚では構造設備の要件は満たせません、仕切られた部屋が複数必要と思ってください。
一例としてみかん王国薬務課が製造業(一般)の例として出してます。
(これをどこまで簡略化するかを薬務課へ足を運んで相談します)

なぜ化粧品に新規参入するのに 自社工場を作って製造業を考えるのですか
混ぜるだけの作業で製品は見た目完成ですが、品質を担保するための作業と言うのはまた別の話です。
品質管理で必要とされる様々な試験や維持管理として行う作業が一杯あるのですが、
化粧品の品質管理業務に関わった方でないとどんな作業、試験が必要となるかは分からないですよね。




不明な点等ありましたら、問い合わせ から質問してください。